先日患者さんからこのような質問をいただきました。
ある日突然特に変わったことはしていないのに、肩を挙げると一定の角度から痛みがきつく
挙げることができなくなってしまいました。年齢的にも五十肩だと思うのですが、シップを
貼っていれば治りますか?普段の生活にも支障をきたすぐらい痛くてたまりません。
とりあえず早く痛みを取りたいのですが、なにかいい方法があれば教えてください。
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
ある日突然に肩に痛みが起こり動かすことができなくなったりする四十肩や五十肩。
その名の通り40~50代の人に多く起こります。
しかし、年齢のせいだからといって諦めてはいけません。
痛みが起こってからでも正しい対処をしていけば、早期に回復することができます。
そこで今回は四十肩や五十肩になってしまった時の正しい対処法について解説していきます。
肩の痛みで動かすことができない人はこの記事を読んで、肩の痛みから解放されてください。
四十肩・五十肩とは?
四十肩・五十肩とは正しい名称は「肩関節周囲炎」といいます。
肩関節の周りで炎症が起こっている状態になります。
四十肩・五十肩という名前の通り40~50代の人に多発するので、そういった名称で呼ばれています。
一生の内に四十肩・五十肩になってしまう人の割合は100人中5人くらいとされています。
この数字をみれば意外に少ないと思ってしまいますが、誰がいつなってもおかしくない身近な
疾患です。
どんな症状があるのか?
四十肩・五十肩にはどんな症状があるのでしょうか?
次の症状に当てはまる人は四十肩・五十肩である可能性が高いのでチェックしてみてください。
☑夜に肩の痛みで目が覚める
☑肩を一定の角度以上挙げようとすると痛みで挙げることができない
☑レントゲンなどの画像検査に異常がないのに肩が痛い
☑髪の毛を洗う動作がしんどい
☑手が後ろに回らない
こんな症状はありませんか?
四十肩・五十肩はいつも症状が一定ではなく、3つの段階があります。
四十肩・五十肩にみられる3つの病期
四十肩・五十肩はどんな人でもなってから治るまでに3つの経過をたどっていきます。
期間には個人差がありますが、それぞれの時期でやるべき対応が変わってきます。
急性期 (痛みが激しい時期)
五十肩を発症したばかりの頃は、肩や腕を動かした時の痛みが強いことがほとんどです。
それだけ炎症がひどく起こっている状態です。
この時期は肩を動かしていないのに痛くなったり、夜寝ている時に痛みで目が覚める「夜間痛」
の出現が特徴的です。寝返りを打つ時にも痛みが強く起こる事もあります。
この急性期は、痛みが強すぎるので患部を安静にすることが重要です。炎症が起きているので
氷水などで患部を冷やしたりするなどして痛みが和らいでくる時期を待ちます。
あまり痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤などを服用してもいいでしょう。
急性期には安静にするのが基本ですが、激しい痛みの中でも可能になる体操が1つあります。
それは「コッドマン体操」です。例えば立位でなにかの重りを持った状態で、
前傾姿勢になると腕の重みで下に垂れ下がってくると思います。
その状態で腕を振り子のように動かすという運動です。手に持つ重りにはアイロンなどを
用いてもいいでしょう。軽すぎる場合は効果がないので、適度な重さに調節して自然に
振り子運動ができれば大丈夫です。このコッドマン体操は急性期に唯一できる運動になるので
これを行い、その以外の時間は安静にするようにしましょう。
急性期の激しい痛みは、1~2か月で少し鈍い痛みに変わってきます。ここからの対処を
間違うと大変なことになってしまいます。
慢性期 (痛みは和らぐが、肩が挙がらない時期)
急性期から1~2か月くらい経過すると、慢性期に入り痛みが少し弱くなってきます。
肩を動かした時の痛みはまだあるのですが、安静時の痛みはほとんど感じなくなります。
この時期に肩を全く動かさないでいると、関節が固まってしまい動く範囲が限られてしまいます。
それを防ぐ為にも、積極的に関節可動域訓練をやっていく必要があります。
ご自分でされる場合は少し難しいですが、肩関節や肩甲骨を大きく動かすことを意識してください。
この慢性期は比較的長く続くため (半年~1年) 肩を動かすことを怠ってはいけません。
そして慢性期には毎日入浴して、肩をどんどん温めることを意識してください。
回復期 (痛みがほとんど消える時期)
慢性期を過ぎて回復期に入ると、肩を動かした時の痛みがほとんど感じなくなります。
痛みが消えて安心し油断しやすい時期ですが、この時期にも肩関節を動かしていくこと
を忘れないでください。自身でできることならラジオ体操などがおすすめです。
一旦四十肩・五十肩を発症すると回復期にくるまでに1年近く、もしくはそれ以上かかってしまう
人もいます。それぞれの時期に正しい対処を行うことが回復を早めてくれます。
整体を受けるなら
四十肩・五十肩で整体を受けるなら、急性期を過ぎて慢性期に移行したぐらいから
開始するのが良いでしょう。痛みが出ているのは肩ですが、ではなぜ肩に痛みがでたのでしょうか?
それは、全体的な身体のバランスの乱れから身体の使い方が変わり、結果として肩に痛みが
出ている人がほとんどなんです。ですのでこの歪みを治していかないと再発してしまいます。
当院では骨盤の歪みを正していくことによって、肩関節の運動時にストレスがかかりにくいような
状態を作っていきます。また、肩の関節可動域訓練は個人で正しく行うには少し難しいです。
正しい可動域制限を行い、肩が固まるのを防ぎましょう。
最後に
四十肩・五十肩の治し方について解説していきました。
それぞれの病期があるということを頭にいれていただいて、自分が今どこの段階にいるのかを
目安として把握してください。そしてその段階にあった対処を実践してみてください。
四十肩・五十肩で怖いのは、そうした正しい対処ができないことによって肩が固まって
動かなくなってしまうことです。こうなってしまうと二度と動きません。
ですので対処に迷った時にはお気軽にご相談くださいね。